最近、オーガニックのカカオ(ココア)パウダーで、「非アルカリ処理」とか「Row(生)」を謳うものが増えている。
通常、放っておくと発酵して酸っぱくなるカカオを焙煎+アルカリ化して酸味を中和→美味しいココアパウダーだが、
何でも「生」が良いとするローフードな人々には、栄養素が壊れるとかで焙煎+アルカリ処理が嫌われる。
ので、「非アルカリ処理」「Row」のものが増えてきていて、
却って「アルカリ処理されたオーガニック」のカカオ(ココア)パウダーを見つけるほうが困難になってきた。
非アルカリ処理・生のカカオパウダーも使ってみたが、当然酸味が中和されていないから酸っぱいし、
焙煎しないから芳ばしいコクも弱い。ハッキリ言ってココアとしてはそんなに美味しくない。
何でも生が良いならコーヒーを生で飲めという話だが、焙煎してこそコーヒーの風味は出る。
自分にとってココアはコーヒーと同じく栄養素ではなく嗜好品なので、生もクソも興味無い。
(日本発のマクロビオティックでは真逆に加熱を推奨してるしね。生は陰性で身体を冷やすから。理屈なんて色々ですよ)
「ローカカオパウダーとローカカオバターを混ぜれば美味しいローチョコレートができる」とはローフードな方々の言だが、
それを言ったら「72時間かけて練り上げる熟練のチョコレート職人の仕事」は何の為めにあるんでしょう?
「美味しい」って何?
生ならアルカリで固めないこんにゃくのほうが良い? こんにゃくを美味しく食べるための伝統製法は無意味?
栄養素、栄養素、栄養素、理屈、理屈でしか食物を見ないなら、美食もないよね、アメリカがそうだが。
長年培われた、いかにチョコレート(カカオ)を美味しく食べるか?の試行錯誤の蓄積=美食の歴史のほうが自分には貴重で説得力がある。
無論、そんな歴史をブチ壊して添加物で本物を偽る「金儲けのための試行錯誤」は認めないが。
というわけで美味しいココアパウダーが欲しいのでアルカリ処理されたこちらを選びます。